キラリと光るキラっ人さん

キラっ人さん紹介

女性目線で農業をとらえたら、新しい可能性が見えてきた!

  • 景井 愛実さん(Berry’s Garden)
  • かげいまなみ
  • Berry’s Garden 代表

 1984年伊達市生まれ。2007年に結婚し、農家のお嫁さん、母として過ごしていたが、東日本大震災をきっかけに農水省「農業女子プロジェクト」に参加し日本全体の農業や地域の課題解決を考えるようになった。2017年に嫁ぎ先から独立してBerry’s Gardenを立ち上げた。

「農業」と「かわいい」でつながった農業女子

 Berry’s Gardenでは、福島県産の果物を使った加工品のプロデュースや販売、講座・講演・セミナーなどを実施しています。「農業は、いのちをつないでいく仕事。農業をその土地でつないでいくために、できることを」というのが、Berry’s Gardenのミッションです。
 結婚をきっかけに農家の一員になりましたが、当初は農業にマイナスイメージがあり、東日本大震災の直後は「もう福島の農業は無理だろうから、やめたらいいのに」とさえ思っていました。
 でも、しばらくして農産物の安全性が確認されると、「また福島の果物が食べられるようになってよかった」と多くの人に喜んでもらえるようになって、「あの時に諦めて木を倒していたら、もう終わりだったんだな」と農業をつないでいく大切さを実感するようになりました。
 私はずっとアパレルで働いていたこともあり、おしゃれが大好きです。そんな自分らしく農業に関われる方法がないかなと、ある日パソコンで「農業」と「かわいい」を並べて検索してみました。その時につながったのが、農水省の「農業女子プロジェクト」で、そこに私も登録したことで、多くの人とのネットワークができて新しい世界が広がりました。

スキマ時間を心豊かに楽しむ果物の加工品を提案

 果物は、少しキズがあったり形が悪いと破棄されてしまいます。そこで私は、ワークショップや講座を通して、「果物のおいしい食べ方」をより多くの人に知ってもらって、市場に乗らない果物も欲しいと言ってもらえるような流れを作ろうと思いました。最初はスムージーアドバイザーの資格を生かして地域のママサークルや学習センターで教室を開いていたのですが、常に生の果物を確保できないことや、一度に伝えられる人の数に限界を感じるようになってきました。
 よりたくさんの人たちに、時期を問わずに果物を楽しんでもらいたいとBerry’s Gardenとして始めたのが加工品のプロデュースです。ドライフルーツに炭酸水を入れてシャンパンのような色と風味を楽しむ「スパークリングボトル」や、「ホットワインの素」など、パッケージデザインにもこだわって、スキマ時間を心豊かに楽しめるようなシーンを提案しています。特に、妊娠・出産をした女性たちに、ほっとする時間を持って欲しい、家事に仕事に忙しい女性に少しでも休んでもらいたいという願いを込めて商品開発を進めました。

農家の「ワーク・ライフ・バランス」は自分次第

 私も母親として忙しい毎日を過ごしていますが、スキマ時間に小さな幸せがあるだけで、不思議なほどに、がんばれると実感しています。女性は複数の作業を同時にこなすのが得意で、多角的な視点があり、それは新しいビジネスにも活かせると思います。例えば、大家族の料理を作っている最中に商品のヒントがひらめくことがあるので、私はそれを体現していきたいと思いました。
 農家の一員として子どもを育てながら家業の手伝うのも、「仕事と家庭の両立」という意味では悪くないと思います。でも、私は誰かに言われたことをやるだけではなくて、「自分」を持ちたかったのもあって、昨年の秋からBerry’s Garden用の畑を借りて、手入れを始めました。
 友達の畑にアルバイトに行って勉強をすることもあります。農業は、生産品種や収穫する時期をうまく組み合わせれば時間を作ることができるので、子育て中のお母さんにも向いている仕事かもしれません。育児中のお母さんだけでなくフリーランスで働く人が農業に参加したり、「もっと気軽に農業に参加できる仕組みがあればいいのにな」と、考え始めているところです。

まずは、若い世代に関心をもってもらうことから

 インスタに上がってくるおいしそうなスイーツなどは、もともとは畑から来ているものばかりですから、農業は、もっと「かわいい」イメージに寄せていけるはずです。最近、私は「私たちのかわいいは、農からできている」というテーマを打ち出してもっと若い世代にも農業に関心をもってもらえるライフスタイル発信を試み始めました。農業をもっと身近に感じてもらって、当事者的に農業をとらえる人が増えていけば、破棄になる作物も減っていくはずだと思います。
 私の農業は、子どもをおんぶして作業している畑が起点です。もう少し大きくなってからは、畑で遊ばせておいたり、学校から帰ってくるのを待っていたりする大切な場所になりました。それぞれの農家が長く守ってきた畑を、どうすれば未来につないでいけるのか、課題は山積みですが、自分の仕事として気持ちを切り替えたら、農業には楽しさや可能性で満ちていると感じるようになりました。二人の子どもたちが「がんばって」と常に応援してくれるのが一番の励みです。(2020年12月取材)

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