キラリと光るキラっ人さん

キラっ人さん紹介

自分が「いい!」と思える何かを大切にすれば、人生はもっと楽しくなる

  • 熊坂仁美さん(株式会社SML)
  • くまさかひとみ
  • 株式会社SML 代表取締役

慶應義塾大学文学部卒業、19年間専業主婦として二児を育てたのちに、42歳で社会人デビュー。2009年からSNSの研究を開始し、翌年出版した『Facebookをビジネスに使う本』がベストセラーに。2013年に故郷の福島市に拠点を移し、東京と福島を往復しながらデジタルマーケティングアドバイザーとして企業や自治体の情報発信のサポートを行っている。福島市観光コンベンション協会理事。

宝の山のような福島の魅力を様々な形で発信

 6年前、母の介護のために福島市に戻ってきました。その母が今年8月末に亡くなったので、こちらにいる理由がなくなってしまったのですが、多方面からお声をおかけいただくようになり、まだまだ福島でお役に立てることが分かってきましたので、これからもここで頑張るつもりです。
 いまやFacebookなどのSNSを使った情報発信は当たり前になり、「何を伝えるか」が大事になってきています。しばらくふるさとを離れていた視点で見ると、福島には「まだ発信できていない、いいもの」がたくさんあります。宝の山のような魅力をこれからも発掘して伝えていきたいと思っています。
 昨年から取り組んでいる『夜の果樹園』は、果樹園の一部エリアをライトアップして幻想的な空間を創り出し、生産地ならではのフード&ドリンク、アクティビティ等を提供する試みです。インバウンド誘致に向けた新たな観光コンテンツとして、来年の正式オープンを目指して実証実験をしています。来年春には、福島市出身の音楽家・古関裕而さんがモデルのNHKドラマ『エール』が始まります。これをきっかけに観光誘致と福島市のファンづくりを目指す『福島市ロケツーリズム推進会議』が発足し、そのワーキンググループの代表を務めることになりました。

縦割り社会に横串を差すのは女性の方が得意

 これまで日本は男性を中心とした縦社会で成長してきました。効率的であった反面、時代が変わった今はその枠組みが様々な成長を阻む足かせになっていると強く感じています。男女の考え方や行動パターンにはそれぞれ得意分野があり、既存の組織間をコラボなどで「横串を差していく」のは、圧倒的に女性の方が得意だと思います。変化が早い時代なので、これまでと同じやり方にこだわりすぎると、時代の波に取り残されてしまうのではないでしょうか。
 10年前にFacebookの存在を知った時に、私は「これは使える」と思いました。匿名が前提のインターネットで「実名を出すなんて」と否定的な意見の人もいたのですが、無料でページを作ることが出来て、いろいろと発信することができる。これは企業目線から見ても「進化だな」と思いました。ただ、その使い方があまりにも分かりにくかったので、自費でアメリカまで行ってカンファレンスに参加したりしながら、活用のノウハウを広めていくことになりました。
 私は変化に関することに鼻が利きます。思い起こせば、主婦時代も「自分へのクリスマスプレゼント」と言いながら、高価なパソコンを購入してWindows95でインターネットに接続し、面白がっていました。情報発信の形がどんどん変わってきた20年、その近くにいたことになります。

自分の世界をどうするかは自分で決めていく

 女性の生き方は人それぞれで正解はないので、自分の世界は自分が設計していくしかありません。あえて言うならば、私は自分の好奇心、興味、関心に正直に生きてきました。女性は子育てが終わった後、介護の問題が重くのしかかる人もたくさんいます。その時に避けたいのは、家族のために仕事や活動をすべてやめてしまい「気がついたら何も残っていない」という状態になってしまうことです。
 幸いなことに、今は在宅で仕事ができる環境が整ってきているので、やり方によっては「自分の好きなこと」を続けやすくなってきています。母親や妻としての役割以前に、一人の女性として充実してハッピーな方が、家族をはじめ周りの人たちにいい影響を与えられると思います。人生100年の時代ですから、今の仕事以外に長く取り組めるライフテーマを決めておくといいかもしれません。私自身が今考えているのは「お酒」、特に日本酒に関することです。人生も後半戦になりました。どんなふうにライフテーマに関わっていくかは、これから勉強しながらゆっくり決めたいと思っています。(2019年10月取材)

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