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「えるぼし」で三つ星マークを取得! 従業員300人以下の事業所では東北初の快挙、全国でも3例目

  • 社会福祉法人太田福祉記念会

今回お話をうかがった方
社会福祉法人 太田福祉記念会
常務理事 兼 法人事務局長
佐々木 俊仁(ささき としひと)さん

「くるみん」に続いて「えるぼし」取得

 平成28年6月、当法人は女性活躍推進に取り組む優良な企業として厚生労働省から「えるぼし」認定を受けました。「採用」「継続就業」「時間外勤務」「管理職比率」「多様なキャリアコース」の5基準を全て満たした三つ星マークの取得は、職員300人以下の事業所では東北初であり、全国でも既に認定を受けている2社に続き3番目の認定となりました。
 昭和53年の設立当時から女性が活躍できる労働環境の整備を進めてきた当法人は、現在9ヵ所の事業所を運営しています。そこで働く230人のうち80%が女性であり、平成24年度には、同じく厚生労働省による子育てサポート企業として「くるみん」の認定も受けました。
 私たちの組織の目的や社会的な存在の価値は、「いかに質の高い介護サービスを提供するか」に尽きます。人生の大先輩である利用者の皆様に真摯に向き合うことは、決して簡単なことではありません。一人ひとりの人権に配慮された介護を実現するには、優秀な人材を採用し育て、長く勤務してもらう必要があり、そのためには性別によらず安心して働くことができ、働きぶりを評価していく仕組みが必要だったのです。

人柄の良い人をしっかり教育する

 私たちの職員採用基準は「人柄の良い人」です。最初から知識や技術面を問わないのは、内部教育に自信があるからです。それは、採用後半年以上にわたって複数のプリセプター(指導介護士)が付いて、手取り足取りの指導体制を整えています。そして、きめ細かく設定した評価表に基づき業務内容の習熟度を面接によりチェックし、安心して一人で仕事ができるようになるまで指導を続けるのです。一つの取り組みを始めるとそれに付随した業務が数多く出てきます。実態に即したチェック表づくり、プリセプターの育成、プリセプターを評価していくためのシステムも必要です。とても手間ひまがかかるのですが、この仕組みは時間をかけて企業文化として根付かせていかなければいけないと思っています。平成27年度の離職率は2.7%で、これは介護職の世界では大変低い数値だと喜んでいます。(参考:平成27年度の全国における介護職離職率は16.5%:(公財)介護労働安定センター調査)

キャリアアップの道筋を示す研修計画

 平成28年3月には「きらきら人材育成プラン」という人事や給与制度と絡めた職員研修計画を策定しました。新規採用職員は、まずガイダンスを受けて各職場に配属された後、3ヶ月間のコースでじっくりと「社会人としての心構え」などについての研修を受けます。次に採用6年目の職員を対象として実施する研修があります。後輩に頼られ、上司からの難しいオーダーに応えなければならない時期に研修を受けることで「初心に返る」ことができ、6年ごとの定期的なローテーションによる人事異動と合わせ、モチベーションの維持・向上と定着率の向上につながっています。その後は中堅職員研修などでマネジメント系の研修を少しずつ増やし、介護技術を磨きながら、全体を見ることができる「プレイングマネージャー」を着実に育てていきます。組織を動かせるリーダーは、一朝一夕に生まれるものではありません。このプランを全職員に配布しており、キャリアパスやキャリアアップの道筋も示しています。

定年後の元職員が育休をカバー

 現在、女性管理職比率は69%。目標値は70%です。女性が働きやすい職場として認定を受けたのは、たまたま80%が女性職員だったからで、目指しているのは女性と男性が共に働きやすい職場です。産前産後休暇中の基本給等支給なども、仕事を続けてもらえるようにする一つの取り組みにすぎません。育児休業取得率は100%で、職場復帰後は短時間勤務を利用している人もいます。一時は、15人が一度に育児休業を取得したためにスタッフ不足となる恐れがありました。そこで頼ったのが、定年退職した元職員です。体力的に入浴介護などは難しくても、ベッドメイクや利用者さんの話し相手などは手慣れたもので、本当に助けられました。
 平成28年度からは、定年退職の年齢を65歳に延長しています。これまでは60歳定年で一区切りして65歳まで希望者を再雇用していたのですが、給与などの待遇面も引き継ぎながら、より長く思う存分働いていただこうということになりました。

女性活躍推進は目的ではなく手段

 特別養護老人ホームは生活の場でもあり、利用者さんと職員の親密度は高くなりがちです。ついつい、利用者さんが「待っている」と思うと休みにくいと感じてしまう職員もいて、有給休暇の取得率が低いことが私たちの課題となっていました。そこで、誕生日など家族のイベントがある時には優先的に休みが取れる「きらきら休暇」という制度を設け「年に1回は必ず取得する」という約束で、職場内で声をかけあうようになったところ、少しずつ利用者が増えてきているところです。
 働く人が技術的にも精神的にも経済的にも安定していなかったら、仕事に全力投球することはできません。心配な部分をできる限り取り除き、介護サービス提供に従事することがなによりも大事なのだと思います。女性活躍推進は私共の戦略目標「福島県一質の高い介護サービスを提供する」ための一つの手段です。その実現にむけて、私たちはこれからも努力を続けていかなければならないと思っています。(2016年11月取材)

基本情報
事業内容
指定介護老人福祉施設、指定短期入所生活介護事業所、通所介護事業所、訪問介護事業所、指定居宅介護支援事業所、ケアハウス、地域包括支援センター
企業名
社会福祉法人太田福祉記念会
創業
1978年
所在地
福島県郡山市熱海町玉川字阿曽沢11番地1
TEL
024-994-0888
FAX
024-994-0880
代表者
理事長 太田 宏
従業員数
232名
URL
http://www.ohta-fukushi.or.jp/

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