日進堂印刷所は、社員一人ひとりの個性を組織全体の力にする「ダイバーシティマネジメント」を積極的に展開しています。その流れから女性活躍推進も始まり、2014年には『女性のイチオシ委員会』を立ち上げました。メンバーは、ベテランや若手、既婚者・未婚者などいろいろで、様々な職場と立場から集まった女性９人。最初に取り組んだのは「職場環境の見直し」でした。女子更衣室の出入り口に目隠しカーテンを付けたり、女子トイレに「音消し」を設置して水の使用量を抑えたりと、提案が形になっていくことで委員会の存在が社内に浸透していきました。また、メンバーの話し合いの中で「結婚や出産の際に提出する書類が多く煩雑」といった声が多く聞かれたことから、チェックシートを取り入れた「働く女子の応援手引き」を制作。社員から「わかりやすい」と好評だったことから、女性目線に基づく営業的な展開もできるように販促チラシを制作しました。

　これまで当社では、結婚や出産を理由に退社する女性が少なくありませんでした。そこで、2014年に育児・介護休業などの両立支援制度を就業規則に盛り込み、管理職に説明を行いました。さらに、社内で説明会を行い男性社員にも周知することで、制度の理解と利用を呼びかけました。この説明会は二部構成で、後半は育休取得者の体験談の発表をすることで具体的に制度の利用がイメージできるようにしました。さらに、2016年１月には子供を育てる社員が利用できる「始業・終業時刻の繰上げ又は繰下げの制度」を新設。着実に、女性が復職しやすい職場づくりを進めています。これらの取り組みが評価され、2016年２月に当社は「福島市働く女性応援企業の認証」を受けました。2017年10月現在、女性社員の育休取得率は100%になっています。

　現在、社内には女性の営業職が増え、目覚ましい成果を上げています。当社に就職を希望する学生さんも圧倒的に女性が多くなってきました。「女性が仕事を続けていける環境」が整備された当社の次なるステップは、「女性管理職の育成」です。また、男性の育児休業取得者はまだいませんが、今後は社内の協力体制なども整備しながら後押しをしていきたいと思っています。
　2017年11月には『イクボス宣言』をしました。目指すのは「男女共に仕事と子育てを両立できる働きやすい環境」です。全社員が能力を十分に発揮できるように、今後も会社全体で仕事と生活との調和「ワーク・ライフ・バランス」の実現を進めていきます。（２０１７年１０月取材）