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明るく元気な女性が支えるリサイクルでSDGs実現へ

  • いわき市再生資源協業組合

お話をうかがった方
いわき市再生資源協業組合
事務局長 西山 奈津江(にしやま なつえ)さん

女性の資格取得者がクレーンを操作する職場

 いわき市では、一般家庭から出された缶類、ペットボトル、ビン類、プラスチックの再生資源化を推進しています。当組合は、1984年に市内の再生資源業(リサイクル業)の企業37社の出資で設立した組織で、市内に2カ所ある市の施設で資源ゴミの選別作業を請け負ってきました。
 現在39人いる従業員のうち25人が女性で、和気あいあいとした明るい雰囲気の職場です。作業現場では、ライン作業による選別のほか、ショベルローダーやフォークリフト、クレーンの操作なども資格を持つ女性が担っています。これらの資格は、毎年「スキルアップアンケート」で従業員から希望を聞いて、順番に取得費用を組合が負担しています。自分から「挑戦してみたい」と言い出せない従業員もいますが、アンケートであれば自由に意思表示ができるようです。取得する資格は業務に必要なものであれば良く、パソコンを使う機会がない職場の従業員が「今後リーダー業務を担うようになると報告書作成などで使うから」とエクセルの講座を希望して受講したケースもありました。

子どもが小学生以上になっても使える「時短制度」

 「育児短時間制度」は、原則6時間を所定労働時間として働くことができる制度ですが、当組合では、令和2年度から6時間よりも短い時間の勤務も認めています。また、対象者を「子を養育する者」としているので、小学生以上の子どもをもつ親も利用することができ「新型コロナウィルスによる臨時休校」といった不測の事態にも対応することができます。子どもが病気がちな従業員がこの制度を活用することで、正社員を続けることができたという事例もありました。
 組合独自の制度は他にもあります。10年以上前から育休中に基本給の10%を支給する制度を設けています。2014年までは、産休・育休中も社会保険料が免除されずに支払いが発生していました。給付金の受給までは時間がかかることもあり、「収入がない時期に支払いがあることが育休取得を躊躇する一因になるのでは」と導入したものです。昨年、男性従業員が半月ほど育休を取得した際にも、この制度を利用しました。また、子の看護や介護のための休暇は欠勤扱いにせず皆勤手当を支給しています。

前向きになれる言葉の共有で職場が元気に

 東日本大震災の直後は、ペットボトルを利用する家庭が急増して施設での処理が追いつかなくなり、残業や休日出勤が増加しました。自らも被災して家や家族が心配な中で業務を続けていくうち職員のモチベーションが保てなくなってしまって、「何かしなければ」と始めたのが、「元気な職場づくりプロジェクト」です。これは、毎月持ち回りで標語を考え、選ばれたものを掲示するシンプルな取り組みですが、驚くほどの効果がありました。一人ひとりが「あるべき姿」を考えて、みんなで同じ方向を向くことができたのです。さらに1年に一度、「一番心に残った標語」をみんなで投票で決めて表彰するのですが、その時は大いに盛り上がります。
 長く勤務する人が多い職場ですが、最近は若い世代が増えてきました。新規採用者にはメンターが一人ついて、仕事のサポートをしますし、「ご安全に」「よろしくお願いします」「おつかれさまです」といった声かけが響いて、新しく来た方もすんなり馴染んでいきます。 
 今後は、高齢世帯の見守りも兼ねた個別回収などの新たな展開も予定していますので、引き続き人材確保と育成に向けた取組みが必要です。SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、一層、女性の活躍できる職場を整備していきたいと思っています。(2021年1月取材)

基本情報
事業内容
いわき市一般廃棄物選別事業、再生資源卸売業
企業名
いわき市再生資源協業組合
創業
1984年
所在地
福島県いわき市小名浜林ノ上19-98
TEL
0246-88-1450
FAX
0246-88-1451
代表者
代表理事 花見俊行
従業員数
38名
URL
https://www.iwaki-ssk.or.jp/

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