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従業員みんなで助け合って、めざせ「日本一幸せな漆器店」

  • 株式会社三義漆器店

お話をうかがった方
株式会社三義漆器店 
代表取締役
曽根 佳弘(そね よしひろ)さん

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男性ばかりだった職人の世界が変化

 当社の初代は会津塗の塗師で、1935年に三義漆器店を創業しました。卸問屋を経て1965年に法人化し自社工場での一貫製造体制を構築し現在に至ります。高度経済成長期に大手スーパーの発注が急増し、均一な製品を大量生産する必要に迫られたのが工場生産を始めた理由です。
 会津塗は400年以上続く伝統工芸品で、かつては職人たちによる男性社会でしたが、工場では女性が活躍する場面が数多くあります。昨年70歳で退職された絵付師の女性は、高い技術力と向上心を持ち、誰もが認める職場のリーダーとして長年の間、会社に貢献してくれました。能力が高ければ性差は関係ないということに、昔の人は気づいていなかっただけなのだと思います。
 現在、当社では70名弱が働いていて、その約半数が女性です。特に包装工場で働いている従業員は9割以上が女性で占められています。「自分だったらこの製品を買うだろうか?」という女性の消費者目線による目視検品は、出荷前の大切な作業です。また、バーコードシールを貼ったり、傷がつかないように袋に入れたりする作業を丁寧にこなしています。

相談できる環境を整えて、仲間の協力をあおぐ

 昨年、当社は女性の管理職登用や新規採用などにより福島県次世代育成支援企業「仕事と生活の調和」推進企業認定と「働く女性応援」中小企業認定を受けました。また、妊娠・出産・復職時の支援に取り組む行動計画の策定や国の法律に基づいた就業規則の改定を行い、男女ともに働きやすい環境の整備を進めています。こういった制度はもちろんですが、私が一番大切にしたいのは「みんなで助け合って、一緒に会社をよくしていこう」という考え方です。当社の経営指針書にも「一人の百歩よりも、百人の一歩」と記して全社員に配布して毎朝読み合わせをしています。
 例えば、当社は生産効率を上げるため週中の祝日を出勤日にしています。その分、土曜出勤日に振替休日を取るシフトを作ったところ、あるシングルマザーの従業員から「祝日は保育所に預けられないので困っている」という相談が寄せられました。困っていることを抱え込まず相談してくれたのがうれしかったので、どうにか応えようと祝日出勤ができる従業員を募ってシフト調整を試みました。彼女が子育てしながら働き続けられる環境を職場全体で整えたかったのです。限られた人員の中でできることは限られますが、協力してくれる仲間がいるからこそできることもあるということです。

「10年後はこうなりたい」に向けて動き出す

 当社が目指すのは「日本一幸せな漆器店」です。会社側の思う幸せと、社員の願う幸せにギャップがあったらいけないので、価値観を共有することが大切になってきます。そこで、当社は、一人ひとりの社員に、「10年後にこうなりたい」というイメージを自由に書き出してもらう機会をもうけて、その内容を食堂に張り出すことにしました。みんなが会社の未来を考えることで、自分ができることに積極的に取り組み始めるので、当社では美化委員会、5S委員会などの各種委員会活動も盛んです。人間関係が良くて、他の人を思いやり、助けて感謝し合うことを忘れない社内の人間関係が続いていけば、従業員の人間性が向上して、製品の品質も上がります。品質が向上すれば、会社は成長します。つまり、人格が会社を作るのです。
 待遇面など中小企業ができることは限られていますが、従業員が誇りをもって働ける職場づくりはできます。製造業は、「よろこびづくり」「しあわせづくり」「感動づくり」。生分解性プラスチックを使った漆器「紫翠盃」の製造、また漆器以外の分野にも目を向けながら、女性も男性も、また若い人も高齢者も目をキラキラさせながら働ける職場をつくっていきたいと思います。
(2021年2月取材)

基本情報
事業内容
製造業 会津塗製品の製造、卸(お椀、プレート、ボウルなど)
企業名
株式会社三義漆器店
創業
1935年
所在地
福島県会津若松市門田町大字一ノ堰字土手外1998番地の3
TEL
0242-27-3456
FAX
0242-28-2252
代表者
代表取締役 曽根佳弘
従業員数
68名(2021年2月現在)
URL
https://www.owanya.com/

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