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令和4年度福島県ワーク・ライフ・バランス先進的取組大賞受賞

  • 有限会社飯田製作所

有限会社飯田製作所 取締役 池田緑(いけだ みどり)さん

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製造現場の理解を得るために、まず「5日間から」

 当社の主力製品は樹脂製の自動車部品で、比較的軽い製品を扱うため製造現場では女性も多く活躍しています。女性の育休は定着していましたが、男性の取得実績はほとんどなかったため、「育児・介護休業法」の改正を翌年に控えた2021(令和3)年、一足早く「性別に関わらず産後8週以内に5日以上の育児休業の取得奨励する制度」を制定し、会社全体で推進してきました。
 導入にあたって、製造現場からは「育休で欠員が出ると、生産ラインが回らなくなってしまう」という不安の声が上がりました。そこで、職場のリーダーに対して「まず5日から始めてみませんか」と掛け合いました。すでにリフレッシュ休暇で5日間休む制度は浸透していたので、「5日間ならなんとかなる」と、理解を得ることができました。
 一方で、取得対象となる従業員にとっては「収入の減少」が育休取得をためらう大きな理由になります。そこで、会社として取得を後押しするため、「5日間を有給休暇として扱い、会社が育児休業中の賃金を負担する」ことを合わせてルール化しました。金銭面の問題をクリアすることで、経営側もいっそう「男性の育休取得」に取り組みやすくなりました。

「できない理由」を解決し取得率を100%に

 新しい取り組みを始める時、できない理由を探せば、いくらでも出てきます。今回は、職場の理解や金銭面などの課題を一つひとつ解決できたので、急速に男性育休が受け入れられました。今のところ制度開始以降は、全ての対象者が取得しています。今の課題は「男性育休は5日間」と固定されがちなことです。そうならないよう、これから育休取得する社員の状況をできる範囲で上司にヒアリングしていただき、取得計画書に落とし込んでもらうようにしています。
 女性の管理職登用は道半ばです。女性は「産休育休でいなくなってしまう」「育休復帰後も保育園の呼び出しがひんぱんにある」「子育て中は祝日出勤や交代制勤務ができない」などの理由から、製造現場では女性に重要な仕事を任せない風潮がありました。しかし、出産育児に限らず、様々な事情により長期間職場を離れてしまうことは誰しも起こりうることです。男女関係なく「特定の人にしかできない仕事を作ってしまう」こと、仕事の属人化は事業継続のために解消する必要があります。

一人ひとりの個性を知って助け合う職場づくり

 病気やケガで、急に休むことは誰にでもあり得ます。育休は事前に予定ができるために、誰かが抜けても事業を継続していくための「訓練」ができるまたとない機会です。手順を共有し、互いに助け合っていく経験は仕事だけでなく家事・育児でも役立ちます。
 そのためにも、普段からお互いのことを知っておく必要がありますが、コロナ禍以来、コミュニケーションがしにくい状況が続いています。当社では、懇親会の予算を活用して従業員の趣味に使った費用の一部を補助し社内掲示板に掲載する「マイ推し補助」を始めて会話のきっかけにしたり、就業予定日に消防団活動に参加することとなった場合は通常出勤として取り扱い、支障なく参加できる後押しをするなどの取り組みを進めています。これからも試行錯誤を重ねて、一人ひとりが公私ともに充実した生活を送る環境を整え、すべての社員が能力を十分に発揮できるような環境を社内に作っていきたいと思います。
(2023年2月取材)

基本情報
事業内容
フッ素樹脂等樹脂製品の製造・販売
企業名
有限会社飯田製作所
創業
1964年
所在地
福島県本宮市糠沢字水上21-2
TEL
0243-64-2320
FAX
0243-64-2571
代表者
代表取締役 野渡透一
従業員数
161人
URL
https://iidaf.com/

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