料理家の本田よう一です。
仕事で福島になかなか行けず寂しいですが、今はぐっとこらえて家でできることを続けています。

毎日続けていることといえば、家族への食事なのですが、2歳の息子は食事を完食しません。こちらが食べて欲しい量を盛り付けてもなかなか難しい。息子に完食してもらうには少しずつ工夫が必要で、まずは、食べる環境。テレビや音は消す。テーブルの高さと椅子の高さを調整して、しっかり安定した姿勢で食べる。この2つをやりつつ、時折、時間をみて、テレビをつけたり、動画を見せたりもして、メリハリをつける。言うのは簡単ですが、息子が食べたくなるまで、席に座るまでが一苦労。なかなかその気にならない時は、妻と先に食べてていい?と聞いてみたり。できるだけ自発的に着席できるといいのですが、簡単にはいきません。


次に食事の量。残しそうな時は、事前に盛り付ける量を思い切って半分にする。おかわりを促して、食べる量を調整する。おかわりが多いと僕は全然席に座ってられません。それも嬉しい悲鳴ですが、これがずっと毎回というわけではないので、どこかで割り切って挑戦してみるくらいの気持ちでやってみるのがいいです。食事との時間の間隔もしっかり空けて、時には飲み物だけにしておやつを休みにしてもいいと思います。

さらに好きな料理だけを並べる日を作る。うちの場合は、卵焼き(目玉焼き、ゆでたまごでは NG)、生野菜は積極性に欠けるので、茹で野菜。できれば、煮物とか味が含んだものが好み。肉や魚は食感が柔らかいもの。でも手羽中はすごく食べる。謎です(笑)。豆腐は冷やっこが一番お気に入りで、削り節がかかっているとより勢いよく食べる。納豆とみそ汁(きのこ入り)も好きです。食べないとわかっていてあえて出す日もありますが、完食してもらいたいなと思う日は献立にこれらを組み合わせて出します。

親も同じものを食べて、おいしいねぇと話しかける。食べなくなったら、少し休憩をする。集中力が持たない場合は早めに切り上げる日も作っておく。切り上げてから、もう一度デザート(うちは主に果物)を食べたい人は席に着きましょうと促して、デザートを食べてから、食事に戻ることも。

この繰り返しをしてきました。これからも続きます。大切なのは一喜一憂しない。食べないことを残念がらない。一生懸命作ります。献立も考えますし、買い物の時間もかかります。食べさせて、片付ける時間もあります。でも、一喜一憂しない。いつかは自力で食べることができます。目の前で残されるのは辛いことかもしれませんが、それも成長のひとつと、いやだと主張するのも成長の一つだなーと思うようにしてます。

少し距離を置くのも大事なことです。たまに怒りの沸点が低い日は、僕の方から先に距離を取り、怒らないようにするか自分の機嫌を自分で繕います。これは妻に対しても、仕事でも応用してます。残念がることが、息子へのプレッシャーにならないようにもしてます。もちろん、心の奥底では食べて欲しいですけどね、そんなに毎日思い通りにならないので、今日はここまでね。と切り替えます。自分自身も切り替えます。また、果物で舞い戻ったりもします。笑 そこからすごく食べたりもします。

お腹が空いていれば、ほぼ確実に食べてくれるし、調子が良ければ、「このくらいの量は食べることができる」、調子が悪ければ、「このくらいでおしまい」といった大体の予想がつきます。食べムラなのか体調不良で食べられないのかを見極めるのは難しいですが、できることは日々接し続けること。考え続けること。試し続けること。答えをすぐに求めず、じんわりやること。食べ物の内容も大事ですが、スプーンやフォーク、箸の扱い方、器の安定性や持ちやすさといった食事以外の部分でも改善するといいこともありますしね。

それでも完食してくれた日は記念日なんですよね。なんだかんだ嬉しい。食事は毎日続くことなので、作る側にも自分なりに気が抜ける日を作るようにして、家族で積み重ねていく。他の家族には特別じゃない日でも僕たち家族には特別な日です。今は家族でよく食べて、よく休んで、よく運動する。それを意識して過ごしていきます。

家族の一番の目的は健康に過ごすこと。そのためには食事は大事な要素です。大人は力を入れない日も作りつつ、子供に対してできることを少しずつ、続けてできるといいなと思います。

なぜかパンを追加で食べたい息子の要望

完食 お皿がピカピカで嬉しい

完食した皿を重ねるのが楽しいようです