日本の男性が家事や育児に関わっている時間はわずかに30分程度というデータがあります。これは、世界の諸外国と比べてみても明らかに低い数値となっています。また、男性の育児休業取率を見ても、2~3%台をうろうろしているのが現状で、なかなか取得率が向上していっていないのも事実です。

「女性活躍」を叫ぶ日本にとって男性の育児・家事への参画がなければ、女性が活躍するフィールドは整備されないままとなり、ひいてはそれが少子化問題にもつながっているということにもなります。しかし、高度経済成長期の流れを受けて今なお、男性の意識として根強く残っているのが「男性は仕事でお金を稼ぎ、女性は家で育児や家事をする」という男女の役割分業意識でもあります。

このままでは、少子化は進む一方にあり、労働力が減少していく末、未来の社会保障制度を保つことが難しくなっていくと予測されます。

ただ、この問題は、一個人の男性の問題ではなく社会全体の取り組みとして一個々人が認識しなくてはなりません。そこでポイントとなるのが「ワークライフバランス」ではないでしょうか。私たちの暮らしにおいて切っても切り離せない「仕事」と「私生活」のバランスになります。特に、男性の働き方に着目してみると、長時間労働の傾向が強く、会社から帰宅する頃には妻や子どもとコミュニケーションをとる時間をとることすら無く、毎日の長時間労働において疲弊している状況があるのです。

男性も女性もすべての人がイキイキと自分の人生を生き抜くために、今、まず長時間労働の是正に取り組むことが求められています。    

「男性=仕事」という人生より、仕事も育児も家事もみんながハッピーを実感できる社会づくりのために、男性の育児や家事参画が必要なのではないでしょうか。